
オレは今、知り合いにトレードを教えている。
なかなか筋がよくて、相場分析も的を得ていて、
「コイツ、ひょっとするとオレより上手くなるんじゃないか?」
なんて密かに思っている。
この間、そいつからこんな相談を受けた。
「これからエントリーしよう!と思った時に躊躇してしまうんです・・・」
相場の分析もしっかりとやった。
エントリーが出来る状態までしっかりと待って、
いざチャンスが来たときにオロオロと尻込みする。
こんな経験はオレにもある。
では、なぜ待ちに待ったチャンスが来たのに躊躇してしまうのだろうか?
それは「確実」を求めているからだ。
待ちに待ったチャンスだからこそ確実に勝ちたい!
そう思う心理が、エントリーを留まらせる。
そして「本当に勝てるかどうか、もうちょっとエントリーを待ってみようか」
なんて考えて、本当に相場が進むと、さらに躊躇してエントリー出来ず、
進み続ける相場を見て「あぁ、入っておけばよかった・・・」と落ち込む。
確実を求める心理が、トレードの邪魔をするわけだ。
ではなぜ確実を求めるのか?
その理由は、過去のトラウマにある。
人間、嬉しい思い出よりも辛い思いでの方が心に残る。
だから、エントリーするときに過去に負けた思い出が蘇り、
「負けたくない、絶対に勝ちたい!」と思う心理が生まれて、
不確実性のあるトレードを避ける結果になるのだ。
そして、確実にそのエントリーが勝ちだったか負けだったかを見て、一喜一憂する。
トレーダーじゃないよね、こんなもの。
俺たちトレーダーは不確実性を相手に戦っている。
確実がない世界で、リスクを取っているからこそ、利益が出せている。
矛盾しているようにも聞こえるが、「確実」なものは何もない。
そんなものを求めているようじゃ、トレーダーとしてはダメだ。